Unixの黎明期だった当時,Unixを稼働させるマシン,といえばVAX-11と相場が決まっていました。というより,これ以外に選択肢がなかったといっていい状況だったと思います。その理由は何といってもBSD/Unixにあります。当時のUnixの権利所有者は,開発元のBell研究所のオーナである AT&T でした。そのAT&Tは,純正Unixバージョンである SystemVを配布していましたが,こっちを使っているサイトはほとんど(日本国内では多分,まったく)ないような状況だったと思います。
SystemV の代わりに使われていたのが,仮想記憶を実装したBSD/Unixでした。私が使っていた当時のバージョンは 4.2BSDでした。Bill Joy がまだUCBにいた頃の話です。
この4.2BSDから続くOSの系列がPCに移植されて,386/BSDからFreeBSD,NetBSDなど一連のBSD系OSに至っているわけです。MacOS Xの祖先,ということにもなるのでしょうか(ただしカーネルやメモリ管理などは全然違っていますが)。
当時,BSD/Unix を手に入れるのは結構大変な仕事でした。今のようにネットでダウンロードなんてもちろんありませんでしたし,そもそもこの当時のBSD/UnixにはSystemVのコードがたくさん入っていて,そのため使用には SystemV のライセンスを購入する必要があったのです。
BSDを入手するまでの手順は,ざっとこんな感じです:
- AT&Tから SystemV ライセンスを購入する。確か東京にある AT&T パシフィックに申し込みをしたと思います。値段は時期によってかなり変わっていたようですが,私が手続きした時は$43,000でした。$1 = 360円 の時代ですので,相当高価です。
- ライセンスを購入すると,AT&TからSystemVのメディアとドキュメント一式が送られてきます。当時のメディアはオープンリールテープだったので,ドキュメントと合わせて結構な量でした。ダンボール数箱で受け取った記憶があります。
- SystemVのメディアやドキュメントはそのまま片付けて(^^;),BSD Unixの申し込みを行います。ライセンス証書のコピーを添えて,UCB(カリフォルニア大学バークレー校)に書類を送ると,SystemVの時と同じようにドキュメントとメディア を送ってきました。こちらは商売ではないので,費用は手数料$750だけです。
ドキュメントはSystemVの立派なフォルダとはちょっと違って,リング止めの簡易なものでした。表紙はもちろん,かの有名な「悪魔くん」です。メディアが入手できたら,これをVAXにインストールして立ち上げなければなりません。そのあたりの思い出も,章を改めて書いてみたいと思います。
なつかしいなー(^^)。
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Unixの情報が希少だったころからの名著です。発表最初は「プロフェショナルUnix」というタイトルだったと覚えてますが,改名はライセンスの問題かな?
プロフェショナルBSD (ASCII SOFTWARE SCIENCE Operating System)
