以前のHPといえば,古い人間には制御機器の製造メーカという印象が強いですね。コンピュータでも,64000 のようなファームウェア開発用のものや,HP8000 を使った制御システムなどを連想します。HPが汎用コンピュータメーカとして認識され出したのは,コンパックを合併したあたりからでしょうが,そのスタートとなったのは,やはりHP9000 / HP-UX が登場したあたりではないか,と個人的には考えています。
もっとも,発表当初のHP-UXには,UNIX系OSとしては独特のリアルタイム・プライオリティの実装(nice値を一定以下にするとラウンドロビン対象外になる)や,GP-IBのサポートなど,制御向けOSの趣も結構残っていたように記憶しています。
ところで登場当時のHP9000 には,現在のHP-PAに加えて,68000系CPUを使用したものがありました。基本的に HP-PA がサーバ,68000系がワークステーションという使い分けです。どちらもOSとしてはHP-UXを使用していました。この2機種,当然バイナリ互換性はないのですが,HP-UX のCコンパイラ・リンカが HP-PA/68000 用コードを同時に生成する特殊な機能をもっていて,これを利用すれば両機種で稼動するプログラムを開発することも可能でした。
# 一度も使ったことはありませんが(^^;)。
68000系(68030/68040)CPUを使用したモデルは,HP9000/300シリーズという名称でした。当時のHPのマーケット事情もあって,基本的にはCADでの使用が主体だったはずです。
それも理由なのでしょうが,CPU(コンパイルなど)は早くなかったのですが,グラフィック処理はかなり高性能でした。実際に操作してみると,ウィンドウ関係の処理がきびきびしていて,処理能力以上にパフォーマンスがよく感じたのを印象強く覚えています。
最近のPCが,CPUの能力が高いのにそれほど高性能に感じないのは,このあたりのバランスに関係する部分があるのかな,と思います。
もう少しディスクI/Oとかグラフィック処理(ゲームで使うような3D能力ではなくて,通常使用する2Dウィンドウの処理)能力が高いマシンがあったら,CPUのパフォーマンスは低くても使いやすいのではないでしょうか。
特にノートPCは,マルチコアCPUなんていらないから,その分メモリを増やして,ディスクを高速なものにしてくれた方が使いやすいし,バッテリも長持ちするのでは?と思いますね。
OSであるHP-UXは,SystemVをベースとした商用UNIXとしては多分最初のものではないかと思います(AIXより早かったはずです)。そのせいもあり,またHP独自の拡張機能が多いこともあって,とっつきにくい印象を持ったのを覚えています。
この特徴は,今も変わっていないですね。HP-UXって,同じSystemV 系の AIX,Solaris,あるいはLinux(これもSystemV系といわれます)と比べても,基本的なコマンドのオプションが違っていたりして,かなり特殊なOSだと思います。
最近はハードメーカ・PCメーカとしての印象が強いHPなのですが,HP-UX以外にもOpenVMS, Tru64 Unix など優秀なOS資産を持っているのだから,ソフトウェアでももっと目だってほしいな,と古くから付き合ってきた技術者として思います。
がんばれ,HP!! (^^)/
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HP-UXの本は,今でも結構発刊されているみたいですね。
早くからGUI化された管理機能を実装していたりして,優秀なUnixポートだと思っています。
ただ,Unixの本流(幹)から離れた時期が早すぎたために独自路線で発展した部分が多く,全体として難解な印象があるのはとても残念だと思います。本当にいいOSなんですけれど。
